沖縄赤十字病院

院長あいさつ

病院紹介院長あいさつ

沖縄赤十字病院 院長 大嶺 靖

安全で質の高い医療の提供を心がけて

 病院の窓から外を眺めると開南方面では頭一つ飛び出した高層ビルの建築が行われています。古い農連市場があったところで、再開発が進行中です。一方、反対側は与儀の住宅街ですが、赤瓦の家もあり、どちらといえばこちらの眺めが自分としては好きです。あまり変わらないでほしいという思いがあります。
 今年の5月、令和の時代が幕を開けました。日本政府は「AIホスピタル」を2022年までに構築すると宣言しました。患者さんの情報を基に、AIが診断し、治療方針を示すということでしょう。医療界も変わっていきます。利便性、効率性を求めて変化していくはずですが、患者さんにとって心地良いものになってくれることを願うばかりです。
 人口減少と高齢化の進行は日本の医療体制の変革を必要としています。国の進めている政策は、それぞれの地域において病床数の適正化や医療機能の調整を行い、地域完結型の医療提供体制を整備することです。総論賛成ですが、各論においては地域ごとに、また医療機関ごとにいろいろな事情があり、簡単な話ではないと考えます。当地ではしばらく人口が減らないため、病床総数の削減は今のところ要求されていません。ただ医療機能においては国が示した基準とは乖離が大きく、地域医療構想会議おいて今後も調整が行われることになるでしょう。
 当院は地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、地域てんかん拠点病院、そして那覇市唯一の地域災害拠点病院です。ICU、HCU、NICU、GCUを有し、急性期病院としての役割を担っています。臨床研修医も着実に増え、今まで以上に活気のある病院になっています。また、いくつかの診療科では新たに専門医が加わり、医療の質のさらなる向上が図られています。ちなみに循環器内科では検査件数が大幅に伸びています。てんかんに対しての手術も定期的に行われています。外科では以前から、患者さんの負担軽減ということで内視鏡手術を積極的に行ってきました。今年度から肥満手術(腹腔鏡下)も導入しました。生活習慣病を持つ肥満の方を治療対象としています。昨年、緩和ケア病棟を開設しました。これまでも、がん治療(手術、薬物、放射線治療)に力を注いできましたが、それに緩和ケアという大きな柱が一つ加わったと考えています。待機患者さんが増えてきましたので、この7月から稼働病床を増床して対応しています。
 当院をご利用いただく皆様の信頼と期待に応えられるよう、これからも安全で質の高い医療の提供を心がけてまいりす。今後ともよろしくお願いいたします。

沖縄赤十字病院
<理念>    赤十字の博愛の心が伝わる病院をめざして
<ミッション> 医療と救護で地域を守る
<ビジョン>  信頼され、必要とされる地域の中核病院

2019年8月20日
院長 大嶺 靖